留袖ってどんな和服?黒留袖と色留袖の違いは?

現代の日本では、普段着として和服を着ている方はあまり目にしません。しかし冠婚葬祭の時をはじめとした特別な時は、礼装にあたる和服を着る方を多く見かけます。特に女性は、年齢を重ねるほど和服を好んで着る傾向にあります。洋服に比べて上品な雰囲気があるので、年相応の上品な雰囲気を出せるためでしょう。

和服の礼装にはいくつかの種類がありますが、中でもメジャーなのは「留袖(とめそで)」です。女性が着用する礼装の中で、もっとも格が高い第一礼装にあたります。

留袖の歴史

留袖が着用されるようになったのは、江戸時代以降だと言われています。それまで一般的だった振袖の袖を短く切り詰めたものが「留袖」と呼ばれ、結婚した女性が着ていました。当時、着物の袖を振ることで、異性に好意を伝えるという風習がありました。しかし結婚している女性は、異性に袖を振る必要がないため、袖を短く切り詰めた留袖を着るようになったそうです。

既婚の女性が留袖を着るようになった後、19世紀になると、生地が黒いものを「黒留袖」、それ以外のものを「色留袖」と呼び分けるようになりました。これが現代にまで続いています。

黒留袖と色留袖の違いは色だけではありません。主に着用する人と、紋の数にも違いがあります。

まず着用する人について。黒留袖は、既婚の女性が着る第一礼装なので、未婚の女性が着ることはできません。一方、色留袖は既婚、未婚に関わらず着られます。そのためご年配の女性は黒留袖を、歳若い女性は色留袖を着用するケースが多いです。

次に紋の数について。留袖には紋が入っていますが、その紋の数が黒留袖と色留袖では違います。黒留袖には5つの紋が入っているのに対して、色留袖は数に決まりがなく、1つや3つのこともあります。

留袖はどんな時に着用される?

生地の色や着る人、紋の数に違いはあるものの、黒留袖と色留袖は、着用される機会がほぼ共通しています。もっとも多いのは結婚式や披露宴で、主に親族の女性が着用します。他には親族の卒業式のような慶事や、祝賀会、パーティーに出席する時に着用されることが多いです。

このように、留袖は意外と身近なところで着用されています。

留袖を着る時に揃えるものは?

例えば結婚式や披露宴にドレスを着て出席する時、バッグやグローブ、アクセサリーなどを一緒に用意して身に着けますよね。留袖を着る時も同じです。着物以外に揃えなければならないものがあります。留袖は、ドレス以上に揃えるものが多く、以下の小物が必要です。

・肌襦袢
・足袋
・長襦袢
・半衿
・衿芯
・腰紐
・伊達締め
・帯板
・帯締め
・帯揚げ
・草履
・バッグ

これだけのものを個人で買い揃えるのは骨が折れること、そして現代では留袖を着る機会が限定されることから、留袖を着る時は、こちらのサービスが提供しているようなフルセットで借りられる留袖レンタルのサービスを利用する方が多いようです。着用した後のクリーニングや保管が必要ない点も、レンタルをするメリットです。留袖の準備にお悩みの方には、レンタルサービスの利用をおすすめします。

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